メジャー挑戦の希望を球団に伝えた広島・前田健太投手(27)が26日、広島市が主催する交流事業のため、市内の小学校を訪問した。6年生100人を相手に野球をしたり、給食をともにして楽しいひと時を過ごしたが、最後に行われた質問コーナーではそれまでの穏やかな空気が一変する出来事が発生した。
 
 トップバッターに指名された女子児童が意気揚々と立ち上がると「大リーグに行ってもカープに帰ってきてくれますか?」と質問。メジャー球団からの20億円ともいわれるオファーを蹴って古巣に復帰し、男気とたたえられた黒田博樹投手(40)の再現を願うかのような突然の“直球勝負”に周囲は騒然となった。
 
 司会役の先生が機転を利かせて「それはまた今度ね…」と制して事なきを得たが、メジャー挑戦が正式に決まっていない状況でのまさかの質問に、マウンドでは常に冷静な右腕も大慌て。両手で「×」マークを作りながら苦笑いするしかなかった。
 
 朝一番での移動と多忙なスケジュールにもかかわらず、本人たっての希望で参加し、約2時間のふれあいを終えた前田。ハプニングはあったものの、「子供たちが喜んでくれて楽しかった。いい時間になった。これからも子供たちに憧れてもらえるような選手、応援してもらえるような選手でい続けたいと思う」と気持ちを新たにしていた。