巨人の宮崎秋季キャンプは18日で最終クール2日目を終了。高橋由伸監督(40)が迎えた初のキャンプも残り2日となったが、チームとして来季は“選手・由伸”を欠く形となる。戦力ダウンは否めないが、その「後釜」は誰になるのか。現段階では、戦力外通告で地獄を見た“雑草男”の名前が挙がっている。この日の練習では5、6人で併走しながらゴムボールをパス回ししていくラグビー風のトレーニングを初導入。他の選手の足が引っ掛かって転倒する者が現れて大爆笑が起きるなど、ハードながらも和やかなムードに包まれた。その光景を眺めていた由伸監督は「いい意味で笑いがありながらやってくれた方が活気があっていい」と満足そうに振り返った。

 個々のレベルアップをテーマに掲げたキャンプもいよいよ大詰め。由伸監督は就任にあたって現役引退を決めたため、来季は「代打の切り札」に穴があく。その“ポスト由伸”の座を射止めるのは誰になるのか。現状では、今季加入した堂上剛裕外野手(30)が最有力候補に挙げられている。

 チーム関係者の間でも「堂上は中日をクビになって、誰よりも練習に熱心に取り組んできた。ケガもあったけど、その反骨心はすごいものがあった。育成契約から這い上がって支配下登録されて代打で出ながら打率2割7分6厘、3本塁打は十分な成績」と評判はすこぶるいい。内田打撃コーチも「あのパンチ力は素晴らしいものがある。申し分ない。打撃の課題はもう少し(フォームに)柔らかさが出たら、ボールに対する幅ができる」と太鼓判を押す。

 球団としても堂上の今年の活躍を高く評価しており、来シーズンは愛工大名電の先輩・イチロー(マーリンズ)にあやかる意味も込めて背番号を「91」から「51」にすることを決めている。堂上は右太ももの違和感で宮崎キャンプメンバーから外れたものの、期待の大きさは変わらない。レギュラーに定着するに越したことはないが、堂上は新監督の“後継者”となれるか。