楽天は17日、ロッテからFA宣言した今江敏晃内野手(32)と都内で初交渉を行った。

 星野仙一副会長(68)も同席する中、約40分の会談は終始、和やかなムードで進められた。球団側は複数年契約を提示。過去2度の日本シリーズMVP獲得など勝負強さに加え、野手のチームリーダーとしての働きも期待した。「本来なら、生え抜きの銀次や嶋がそういった役割をやってほしいが、なかなかね」(チーム関係者)

 これまでは移籍組の松井稼頭央外野手(40)にその役割を担ってもらってきたが、高齢化も進んでいるとあって、新たなチームリーダーが求められていた。星野副会長はその点について「いないからね!」とリーダー不在を認めた上で「若手には背中を見て学べと言いたい。打って走って守ってだけじゃない。そういうのが大事だろ」とキッパリ。今江の野球に取り組む姿勢全般を若手に学んでもらいたいと願っている。

 今江自身も球団の期待には十分、応えるつもりだ。「僕も14年間プロの世界で生きてきた。その経験をしっかり生かして若い選手も多いのでその中でチームを引っ張っていけたら」と意気込みは十分。ロッテはFA宣言しての残留を認めておらず、現時点で獲得の意思を表明している球団は他にない。「僕はもう前に進むしかないんです」と今江。相思相愛ぶりはさらに強まったようで、近日中にも「楽天・今江」の誕生となりそうだ。