明治神宮野球大会第3日は15日、神宮球場で準々決勝3試合が行われ、高校の部で高松商(四国)が札幌第一(北海道)を7―2で破り、準決勝に駒を進めた。

 2本塁打を含む14安打と打ち勝った高松商は春夏合わせて4度の全国制覇を誇る名門。だが長らく低迷が続き、来春の出場が確実となっている甲子園は実に20年ぶりとなる。指揮を執るのは就任2年目の長尾健司監督。選手の自主性を重んじる独自の指導スタイルで古豪を復活させた。

 そのひとつが「バイパー」と呼ばれる体幹トレーニング。重さ6~8キロのパイプを振りながら音楽に合わせて踊る、いわばダンスエクササイズで、曲も選手が好きなものをかけながら行う。

 この日3安打2打点1本塁打と大活躍した大熊が「僕はAKB系が多いですけど、気分によって変えます。(SKE48の)『キスだって左利き』が最近のお気に入りです」と話せば、2安打3打点の美濃も「僕は『GReeeeN』や『三代目J Soul Brothers』ですね。アップテンポの曲は疲れるけど楽しい。みんなでワイワイやってます」と好評だ。

 16日の準決勝は大阪桐蔭(近畿)と対戦する。

「力まず楽しんでやりたい」と語った長尾監督。生まれ変わった伝統校はこの先も“楽しむ野球”で快進撃を続けるか。