ソフトバンク・工藤公康監督(52)が秋季キャンプで“工藤塾”を開講している。

 股関節や体幹などの強化トレーニングで、指揮官がコーチ役と化して、日が暮れるまで延々と続けるのが日課だ。メニューは工藤監督が現役時代に筑波大学の白木教授と取り組んだものや、米国で学んだもの、それらを踏まえてのオリジナルなど盛りだくさん。千賀、岩崎、東浜ら若手投手陣を中心とした塾生は日々フラフラとなっている。

 その指揮官の姿勢には周囲も頭が下がるばかり。まさに身を削っての熱血指導となっているからで「選手に間違ったベクトルでやらせてはいけないという思いがあるみたいで、あれだけ脚を引きずったりしながらも、必ず自分でお手本を見せるからね。しかも、そのときは痛みなんて感じさせないほどピシッと完璧にやる。大したもんですよ」(チーム関係者)。

 メニューに取り組ませる際は、まず最初にどのような意図があるかを説明。その後、パーフェクトなお手本を実践してみせる。完全にトレーニングコーチそのもので、練習パートナーとして若手が悲鳴を上げるメニューを一緒にこなすこともある。ただ、さすがの鉄人も引退してから時は流れている。2日目から腰の張りが出ていて、ここ最近は脚を引きずりながら歩くほど。まさに“パンク危機”を押してのレクチャーなのだ。

 腕相撲形式でヒザとヒザを押し合うメニューでは、年齢が半分以下の若手に快勝して「下半身オバケと言われちゃった」と話した工藤監督。「あいつらが頑張ってるからな~」と手を抜くつもりは一切なし。トコトン付き合うつもりだ。