阪神・金本監督が13日、安芸キャンプのメーン球場で野手全員と一部の投手でのリレー走対戦を開催した。「厳しく明るく」をモットーにした指揮官が急きょ、スタッフに用意させた運動会の定番曲「クシコス・ポスト」をBGMにして実現。コースはダイヤモンドを一回り大きく1周する300メートル走で「大運動会」さながらのレースは先頭チームの独走を途中、指揮官自ら邪魔に入るなど厳しい中に笑いもあり、大盛り上がりとなった。


 そんな中、最も金本監督の関心を引いたのが、5年目内野手の荒木だった。何とこの男、アンカーで先頭走者に大きく水をあけられたのをいいことに本塁から直接二塁に走るという「大反則走」を断行。普通ならカミナリが落とされること必至なのだが、指揮官は「面白い! ああいうド厚かましさが試合でも大事なんや。試合中で何かあったらやってやろうというかね。(荒木の性格は)遠慮してこもっている感じやけど、ああいうことができるのはいい。試合でもいいものが出るよ」と大絶賛。さらには「ああいう選手が試合でも必要なんや」とナインに“小悪のススメ”まで説いた。


 ド厚かましい選手とはイメージで言えば、ひと昔前なら「隠し球」を得意とした巨人の元木、阪神なら守備妨害スレスレの走塁を狙う西岡などが浮かぶが、これらの一癖も二癖もある選手こそ鉄人のお気に入り。そんなタイプの若虎よ、出て来い!というわけだ。


「次回のリレーは平田チーフとかに走ってもらう。マスコミにも走ってもらうのも面白い」とご満悦だった金本監督。果たして“小悪”が出てくるか。