【野球賭博問題】NPB調査委の再発防止策に「手ぬるい!」の声

2015年11月12日 06時00分

会見で処分内容を説明する熊崎コミッショナー

 野球賭博に関与したとして、巨人の福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)の3選手に「無期失格」、巨人には「制裁金1000万円」というコミッショナー裁定が下った。事実上の引退を意味する処分とあって「永久追放」に次ぐ重い処分となったが、これは妥当な処分といえるのか。また、NPB調査委が提出した再発防止策の内容には「手ぬるい!」との声が噴出した。

 調査委からの「無期の失格処分」案を支持し、裁定を下した理由として熊崎勝彦コミッショナーは「多くのプロ野球ファンの熱い期待と信頼を著しく損なうものであった」と説明した。「無期失格」は少なくとも処分後5年間は解除されず、事実上の引退となるため「永久追放」に近い、極めて重い処分と言える。

 野球賭博で選手が処分されるのは、1969年の「黒い霧事件」以来のこと。即座に巨人は3選手との契約を解除したと発表した。一方、調査委は巨人の他の選手や他の11球団の選手に関しても有害行為の有無の調査を行ったが、当該3選手以外の関連はなく、反社会的勢力との関わりも認められなかったという。

 だが、本当にこの3選手以外は「シロ」なのか。調査委は引き続き調査をするとしているが、調査には“限界”があることも認めている。

 報告書の中では、福田らとともに賭博行為を行ったとされる相手A、Bに対しての聴取が不十分で、A、Bとも1度は聴取に応じているが、さらに細かい話を聞こうと求めたところヒアリングを拒否されたという。

 あくまで任意での聴取のため、調査委としても強制できず結果として「組織的全体図を明らかにできているものではない」と、全容解明までは至らなかった。

 これには熊崎コミッショナーも「そこが知りたいところだが、十分に明らかにできていない。限界、難しさはある」と苦渋の表情で認めるしかなかった。

 全容解明できないのならば、再発防止策はどうか。調査委が報告書で示した防止策には「研修制度」「啓蒙ポスター」などがあったが、とても効果的とは思えない。本紙専属評論家の伊原春樹氏も「手ぬるいなんてもんじゃないですよ!」と激高し、その上で「再発防止にはこれぐらいやらないとダメ」として私案を披露した。

「ユニホームを着ている間、つまり球団に所属している間は、ギャンブルはすべて禁止とする。合法、非合法に限らず全部禁止です。賭けマージャンやトランプ、ゴルフの握りもだめ。パチンコ店に入るのを目撃されたら、即刻解雇です。私がコミッショナーだったら、ここまでやりますね。それがつまらない人生というのなら、最初から野球人にならなければいい。ギャンブルやりたいのなら、引退してから思う存分やったらいいんです。熊崎さんも『鬼検事』と呼ばれた人なら、中途半端なことはやってほしくないですね」

 その一方、警視庁が3選手に対して、任意で事情聴取を行っていたことも明らかになった。捜査への協力に関しては熊崎コミッショナーも「必要とあれば、協力はやぶさかでない」と前向きな姿勢を示している。

 ただ、今回の事件が不透明な部分を残したまま幕引きとなっては、再発防止もままならないのではないか。

 果たして警視庁の捜査により、全容は解明されるのだろうか。

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