阪神の掛布雅之二軍監督(60)が10日、ネットオークションでの転売騒動によって一時中断していたサイン会を完全再開した。これにはファンも拍手喝采だったが、舞台裏では指揮官に異変が…。その右腕が悲鳴を上げ、けんしょう炎発症の大ピンチというのだ。

 西宮市鳴尾浜での二軍秋季キャンプ中に書いたサインがネット上で転売される騒動に巻き込まれた掛布二軍監督は寒風吹きすさぶ10日、約300人のファンを相手にサイン会を再開。45分間かけて1枚ずつペンを走らせ「これだけのファンが来てくれているのでね。できる限りのことをやりたいと思って」と話した。

 これにはファンも拍手喝采。改めてミスタータイガースの懐の深さを感じていたが、その裏側では思わぬ事態が起きていた。「監督は右手が相当痛いみたい。常に右腕をさするようなしぐさを見せているし、いつけんしょう炎になってもおかしくない状態なんですよ」(掛布二軍監督に近い関係者)。今回の秋季キャンプで掛布二軍監督は、この日も含めて計7回のサイン会を敢行。2000枚近いサインをしている。60歳の指揮官にとってかなりのハードワークになっているようで、もはや右腕の状態は限界寸前というのだ。

 ところが、このピンチにも掛布二軍監督は「練習に支障のない限り(サイン会を)続けます」と宣言。このままでは危ないということで、チーム関係者は「掛布監督と横田、新井などの選手が離れた場所でサイン会を同時開催して、監督が書く人数を減らしたいと思っています」という。名前の挙がった新井は「掛布さんがずっとサインしているのは知っています。僕らで掛布さんの負担を少しでも減らしたい。もちろん協力しますよ」と言い、横田も「熱心に指導してくださっている掛布監督のためなら何でもします」。チーム一丸で掛布二軍監督の右腕を守ろうというわけだが…。

 この日は総帥・坂井オーナーからサプライズ訪問を受けた掛布二軍監督。1時間を超えるロング会談では、将来的な三軍制設立など「目の前の勝負と中長期でチームが戦っていくのを考えて、いろいろな環境を変えていかなければいけないという話をした」という。若手育成などやることは山積みだが、その前に右腕は大丈夫か。周囲は大いに心配している。