巨人・川相三軍監督は人生の勝負どころ…「後継者」育てられるか

2015年11月11日 10時00分

バットを自ら構えて教える川相三軍監督

【赤坂英一「赤ペン!!」】巨人の高橋由伸監督が宮崎秋季キャンプで華々しく始動した一方、川相三軍監督はジャイアンツ球場で連日、ノックバットを振っている。こちらに居残りとなった藤村、大累ら、ここ数年不振の中堅や若手に「何だよ、その程度か!」「おれのほうがうまいぞ!」などとゲキを飛ばしながら。

 

 今季は監督代行として4勝1敗の成績を挙げたことから、一時はポスト原の候補の一人とささやかれた。しかし、フタを開ければヘッドコーチから三軍監督への配転。コツコツと実績を積んだ苦労人が、トップの一歩手前まで上り詰めた途端に、突然別の部署へ移るように命じられた。企業社会の人事異動に例えればそんなところか。川相自身、受諾までには様々な葛藤があったようだ。

 

 しかし、このあたりでちょっと“回り道”してもいいのではないか、と私は思う。選手時代からの地味なイメージとは裏腹に、川相は一貫して“右肩上がり”の野球人生を送ってきた。現役引退後にユニホームが途切れたことは一度もなく、指導者になってからも、一軍コーチ、二軍監督、一軍ヘッドコーチと、常に日の当たる場所に立ち続けている。その間、彼よりも注目されながら、ひっそりと第一線から退いた野球人も少なくない。

 

 来年、川相三軍監督が率いていくのは育成選手たちだ。二軍の試合にも出られない彼らの先頭に立ち、独立リーグの試合が行われる関東、北陸、四国に乗り込み、年間90試合を戦い抜く。その中から、一人でも多くの支配下選手、そして一軍の戦力を育て上げるのが来年の川相の仕事だ。

 

「三軍にやってくる選手たちは、何でもいいからこれだけは負けない、という特色を見せてもらいたい。長打力があるのはそういないだろうけど、足でも守備でもバントでも、練習中に大きな声の出る元気のよさだって、若いうちなら立派なアピールになるんだ。今のファームには石にかじりついてでも支配下選手になろう、一軍に這い上がってやろうという選手が少ない。どうすれば彼らのやる気を引き出せるのか。それが問題ですよ」

 

 巨人では高卒ドラフト下位指名でレギュラーになった生え抜きの内野手は、実は川相以降、一人もいない。その川相が、自分の後継者を作れるのか。ある意味、彼の野球人生は、ここが真の勝負どころという気もする。