阪神・金本知憲新監督(47)の野手陣へのフルスイング指令が、秋季キャンプを行う安芸市営球場を“直撃”している。現在、指揮官は所用でキャンプ地を離れているが、一気に変わった若虎たちが柵越え弾を連発。「このままでは見学者が危ない」と、球場設備の改造などが検討され始めたのだ。観客が連日、大挙押し寄せるなど、活気あふれる新生・虎キャンプ。舞台裏も大フィーバーだ。

 金本監督は今キャンプで練習でのフルスイングを野手陣に課し、長年の課題である長打力不足解消を目指している。早くも、その成果が出始め、江越、陽川ら若虎が連日、打撃練習で柵越えを連発しているが、その裏で困った問題が起きていた。

 高知県の関係者がこう話す。「外野やファウルエリアのネットを越えてしまう打球がこれまでよりもはるかに増えた。このままでは見学者が危ない」。そこでネットの高さを上げることが検討されている。「来年の春には二軍キャンプもあるし、秋もある。もう2~3メートル高くしないといけない」(県関係者)

 それだけではない。安芸市営球場関係者は「バックスクリーンがボコボコになってしまった。去年まではこんなに、みんなフルスイングしないから、そこまで傷がつかなかったんですけどね」と明かし「(秋季)キャンプ後に修理をしないと…。その時にデザインを変えるのもいい」。いずれも鉄人指導で今後もチームの長打力が大幅にアップすると確信しての緊急プランだ。

 もっとも、高知県や安芸市、球場サイドにしてみれば、うれしい悲鳴でもある。新生・金本阪神の安芸キャンプでは祝日の3日に2500人の観客が押し寄せるなど大フィーバー。警備員は昨季までの3人から6人に増加。さらに昨季まで動員されることのなかった市や県の職員で計12人が警備を行っているが、経済効果は抜群で「観光客も増えて地元としてはありがたい。売店についても『新しく出店したい』という問い合わせも来ている」と県関係者もホクホク顔だ。

「金本監督には施設の変更などドンドン言ってきてほしい。できる限り対処したい」と“追加援助”を惜しむつもりもない。来春に安芸で行われる二軍キャンプにも超人気者の掛布二軍監督がいるだけに「警備態勢は来春も(今秋と)同様になると思います。掛布さんはファンサービスに積極的で昨年もサイン会を何度も開いてくれた。そんな掛布さんの負担軽減や安全確保のために“サイン小屋”のような施設を作ることも考えています」と話すほどだ。

 長く虎のキャンプ地として親しまれてきた安芸市営球場。金本&掛布の一、二軍の2人の新監督の力で、その姿は大きな変貌を遂げる!?