阪神ナインの士気上げた金本監督の「脱・和田野球」

2015年11月05日 16時00分

リレーのスターターをする金本監督(奥)。ナインの信頼は最高潮に達している

 阪神・金本知憲新監督(47)が4日、所用のため高知・安芸キャンプを離れ、一時帰阪した。後半には再合流する予定だが、今回のわずか4日間の滞在でも手応えは十分の様子。その舞台裏では、虎ナインが“金本通達”に大いに士気を上げたという。

 

 注目を一身に浴びた安芸キャンプでの怒とうの4日間を終えた金本監督は充実感に満ちあふれていた。「甲子園の秋季練習から1週間ぐらいだけど、ガラッと変わった選手も何人かいた。練習に目的意識を持ってやれば成果は上がってくると改めて思った」。キャンプは17日まで続くが、早くも“満点総括”だ。厳しさで鳴る鉄人は、まずは「つかみはOK」と感じたのか。舞台裏で指揮官はナインに、こんなことを通達したという。

 

「多少、例外はあるけど基本的にはヒットを打ちに行け。サインもそういうサインを出すから。強く打った結果が二直、遊直になってもOKだ。とにかく打席では自分でよく考えろ、だ。それで好きに打て」。打席での自由を強調した「金本発言」にナインは喜んだ。「脱・前任者野球」と受け取ったからだ。

 

 今季限りで退任した和田前監督は、3年連続でAクラスを維持したものの、実はナインは、その野球を決して歓迎していなかったという。一軍経験の多いある選手は「和田監督の時は指示が難しすぎたんですよ」と言い、さらに続けた。「チームとして苦手にしている(巨人の)マイコラスとかポレダとかが相手の場合、たいてい右打ちしろという指令が出ていたんですけどね。ある選手が無死一塁で右に打てというので右に打ったら、併殺になったんですよ。そうするとコーチとかが“何で併殺なんだ”とか言ってきて…」

 

 別の選手は、こんなことも言う。「和田監督の時は“進塁打のゴロを右に打て”とか言ってくるんです。それで選手が力んでフライやライナーになるとコーチが“なんでゴロを打たないんだ”ですから。深めのフライとかでも進塁はできるじゃないですか? でも、ゴロじゃなくちゃダメなんですよ。なんか、みんな窮屈に感じてたんですよね」

 

 いなくなった人のことを言うのもという気はするが、タイミングよく金本監督が「脱・和田色」を徹底してくれた形になったことで、ナインは「金本監督は指示が明確で徹底してくれそうだから、ありがたいですよ」と感謝感激。これまでの“呪縛”から晴れて解放され、改めて士気が上がったというわけだ。

 

「厳しくといっても叱ってばかりではダメ。コミュニケーションを取りつつ、ディスカッションは持ちたい。選手は家族だと思っている」と金本監督。ナインの信頼は最高潮に達している。