オリックスが5位で指名した吉田凌投手(東海大相模=18)が、親友との頂上決戦を思い描いている。

 中日1位の150キロ左腕・小笠原慎之介(東海大相模)とともに、夏の甲子園を沸かせた右腕は「ずっと小笠原と投げ合いたかったんですよ。今までは仲間だったけど、次は1対1の真剣勝負で。日本シリーズの第7戦とかでやりたいっすね」。小笠原とはリーグが別となったが、さらなる闘志をかきたてている。

 甲子園では先発した準々決勝、花咲徳栄戦でリードを許した状態で降板し、ベンチで悔し涙を流した。「先制した次の回に勝ち越されて、小笠原に申し訳ない、野手のみんなにも申し訳ないという気持ちでいっぱいでした。初めて感情的になってしまった」。親友の好投と打線の奮起に助けられ、辛くも逆転勝ちを収めたその日の夜はホテルの部屋で2人だけで「熱闘甲子園」を見たという。

 春からは新たなライバルとしてドラフト6位の佐藤世那(仙台育英)としのぎを削るが「世那は開幕一軍って言ってるけど、別に先に行かれてもいいと思ってます。今は体を大きくすることが一番だし、開幕一軍だけが目標じゃない。自分は自分のペースで、焦ることはない。それは3年間、隣に小笠原がいたからわかったこと」という。

「まずは下半身を強化したい。小笠原は下半身がデカいんですよ。風呂とかで見ると『(太ももが)でけえ…』って。でも、触ったら詰まってるんですよね」。まずはプロとしての体づくりに専念するつもりだ。

 口を開けば“小笠原愛”がどんどん出てくる吉田凌。日本シリーズという最高の舞台へ、親友とともに駆け上がれるか。