巨人が27日、高橋由伸監督(40)就任に伴う来季のコーチ人事を発表した。参謀役となるヘッドコーチには、原政権を知る村田真一前総合コーチが就任。打撃部門には内田順三・現二軍打撃コーチ、投手部門には尾花高夫二軍投手総合コーチを据えるなど、若き指揮官の脇を指導者歴の長いベテランで固めた。

 注目は初入閣の若き指導者だ。今季限りで現役を引退した井端弘和氏(40)が一軍内野守備走塁、さらに指揮官のかつてのチームメート・二岡智宏氏(39)も二軍打撃コーチに就任。まさに高橋新体制の“新しい風”の象徴となる。

 会見では初々しさと、同世代の指揮官を支える意気込みにあふれていた。一軍でともに指導していく立場となった井端氏は「すべてが初めてのことなので戸惑いの方が強いですけども、一生懸命、一から勉強し直して、いい指導者になりたい。少しでも監督の手助けになれるように頑張りたいし、やるからには優勝目指したい」。引退を表明してわずか数日だが、早くも由伸監督同様“覚悟”をのぞかせた。

 巨人に移籍した2年前から、若手の手本として期待されていただけに「2年間、そういう目で見てきたつもりですし、いくつかいいアドバイスはできるんじゃないかなと思います」。選手という“ストッパー”が外れたこともあり意欲満々。「監督が代わり新しい風が吹いたと思う。もう一度レギュラークラスをビシビシしごいていきたいと思います」と“鬼コーチ”と化すことを誓った。

 対する二岡氏は、育成がメーンとあって“対話路線”を目指す。「いろんな方から教えていただきましたけれども、特に今の若い選手に関してはあんまり押し付けてもいけないのかなという感じもする。なるべく選手の意見も、ある程度取り入れてあげなきゃいけないのかなと思いますね」と、現段階での指導者像に思いをはせた。

 高橋監督初お目見えの28日に、指導者としてグラウンドに姿を見せた両者。指揮官とともに新しい風を吹き込む。