近年のドラフト巧者・日本ハムにほころびが見え始めている。

 22日のドラフト会議では県岐阜商・高橋純平投手(18)、東海大相模・小笠原慎之介投手(18)の1位指名抽選に失敗。外れ外れの1位で明大・上原健太投手(21)を指名した。

 栗山監督は「上原君も(リストの)相当上にいた」としたが「1位指名はその年の一番いい選手」という球団の方針としては、やはり“プランCでの獲得”の感は否めない。

 そして超高校級投手を逃し、即戦力左腕獲得に切り替えた“プラン変更”がその後も尾を引いた。ウエーバー順となった2位指名からは再び社会人の即戦力左腕、新日鉄住金かずさマジックの加藤貴之投手(23)を確保、3位もまたリリーフとして期待が高い東農大北海道オホーツクの即戦力右腕、井口和朋投手(21)を指名した。

 これに、他球団スカウトは「なにかこれまでのハムらしくない他球団の動向に左右された人選」と違和感を指摘した。西武が2位で指名した二刀流左腕、北海学園大・川越誠司投手(22)は、地元の日本ハムが下位指名で獲得を狙っていたナックルカーブの使い手。これを西武に先に指名されたことで2位で即戦力左腕の加藤を慌てて確保し、3位に「4位指名以下なら社会人入り」と縛りのあった右の井口を指名せざるを得ず、同順位での獲得を狙っていた秋田商の左腕・成田翔投手(17)を上位3人が左投手となるアンバランスさから見送り、みすみすロッテに渡さざるを得なかったというのが周囲の見立てだ。

 読みが浅く他球団の動向をつかみあぐねた日本ハムのドタバタぶりの根源をライバル球団は「(前GMの)山田さん(現スカウト顧問)が球団の意思決定から外れた影響では」と読んでいる。