【ドラフト1位の素顔】オリックス・吉田正尚外野手(22=青学大)

 オリックスから単独で1位指名された吉田は173センチ、80キロと小柄ながら今年7月のユニバーシアード大会で大学ジャパンの4番を務めた。6月のプロ選抜との壮行試合では西武・高橋光成投手の147キロの直球を右中間スタンドに運び、スカウトたちに強烈な印象を残した。

 名前を呼ばれた吉田は「指名されてビックリ」と喜ぶと「パ・リーグで一番速い球を投げる大谷選手(日本ハム)と対戦したい」と笑顔を見せた。大学ナンバーワンのスラッガーはプロでの目標を「3割、30本、100打点」と明言。大学の先輩である小久保裕紀監督率いる侍ジャパンにも「自分にとっては大先輩。プロで活躍して選ばれたい」と興味を示した。

 吉田を育てた青学大の善波厚司監督(48)は「プロに行く人間は練習に対する考え方が違う。吉田はウチでは宇宙人と呼ばれている。練習や試合で集中して一心不乱にやる分、私生活はマイペース。今年2月のアリゾナ合宿では2週間の間に2回もバスの時間に遅れた。9時出発だったので探してみたら部屋でグッスリと寝ていた」と振り返る。

「糸井さんからプロでの心構えを吸収したい」と吉田は目を輝かせるが、恩師は「宇宙人と呼ばれている糸井選手との競演が楽しみ」とオリ外野での“宇宙人同盟”結成を心待ちにしていた。