阪神の次期監督就任要請を受諾したOBの金本知憲氏(47)。悩んだ末の決断から一夜明けた18日もナイン、フロント陣は“吉報”に大喜びだ。そんな「金本新監督」を祝うかのように、球団には助っ人の“猛烈売り込み”が殺到しているという。

 第33代阪神監督となる金本氏は19日に大阪市内で就任会見を行う。それを前にして18日は故郷・広島から帰阪。最大5年もの長期契約を提示した南球団社長らフロント陣の「1、2年目は結果を問わない。若手を育ててくれ」との方針に、金本氏は「再建しながら勝つというのは難しいと思いますが、やるからには勝ちながら再建するのが理想。勝つことを最優先する中で改革していけたら一番いい」とキッパリ。指導者経験なしの監督1年目から勝利にこだわる姿勢を見せた。さらに20日の秋季練習、21日のスカウト会議、22日のドラフト会議にも出席が決定している。

 そんな頼もしい新指揮官をナインは「勝ち方を知っている方なんで楽しみです」(藤浪)、「しっかりアピールしていきたい」(新井)と大歓迎。フロントも「背番号をどうするか楽しみ。現役時代の『6』、星野さん(現楽天球団副会長)の『77』も空いている」とまで沸いているが、それだけではない。球団には「金本新監督」を祝うように外国人選手の「売り込みラッシュ」が起きているという。

「ウチは条件だけでなく生活環境面のケアもしっかりしているからもともと、売り込みは多い。でも今年は例年以上。6年いたマートンがいなくなることと、ゴメスの来季も白紙。新監督の意向がまだ分からない状況だけに、なおさら売り込みが多くなっている。DeNAのバルディリス、中日(を退団濃厚の)ルナもその中の助っ人だ」(フロント関係者)

 ルナに関しては三塁手不足を理由に獲得調査を開始しているそうだが、国内助っ人だけではなく米国からもエージェントを通じて新外国人候補選手が続々と「阪神入り」を希望。こうした人気ぶりは現有戦力に不安を感じる「金本新監督」にとっては、ありがたい話だろう。昨年までの「最強虎助っ人4人衆」もマートン、ゴメスの解雇危機に続いて守護神・呉昇桓もメジャー流出が騒がれるなど、すっかり解散状態。新助っ人については、すでに故中村GMが米国、韓国で調査した長距離砲を中心にリストアップ済みだったが、今回、投手を含めて売り込み殺到となり、引き出しも多くなった。

 ある球団幹部は新助っ人について「新監督の意向を踏まえて選ぶことになる」と断言する。果たして“世界の鉄人”監督のハートを揺さぶるのは誰か…。