ソフトバンクの帆足和幸投手(36)が18日、ヤフオクドームで引退会見を行い、15年間のプロ野球生活にピリオドを打った。

 2012年にFAでソフトバンク入りした帆足は「FAして福岡に来た時に福岡で終わろうと思っていた。若い選手も出てきているし、そろそろ潮時かなと思った」と語った。将来的には指導者として現場復帰したい意向で「とにかくホークスに少しでも携わっていきたい」と、第2の野球人生の青写真を披露した。

 信念を貫き、悔いのない決断を下した左腕だが、気がかりなことがひとつある。西武時代からの盟友・松坂のことだ。引退を報告すると「ほんとに辞めるのって(聞かれて)。辞めるなと言われた」と翻意を促されたことを明かした。松坂は復活を目指し孤独な戦いを続けているが「そこがちょっとね…。アイツも参っているので、皆さん、あんまり追い詰めないでやってください。あいつがヤフオクドームに立っている姿を見られれば」と仲のいい松坂を気遣った。

 そんな帆足だけに、チーム内からは「松坂の専属広報もいいかもしれない」という声が上がっている。球団は帆足について「すぐの現場復帰はない」としながらも「彼が福岡に残ってというのなら、球団の中で仕事をするかどうか話をする準備はしている」という。帆足は、もがき苦しむ怪物の気持ちを代弁できる数少ない人物であるだけに“松坂番”は適職かもしれない。

 とにかく、若手に慕われ、誰からも愛された帆足の第2の野球人生に注目だ。