パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦(ヤフオクドーム)は16日、ソフトバンクが3―1でロッテを下し、3連勝で2年連続の日本シリーズ進出を決めた。

 ソフトバンクの4番・内川が3夜連続のヒーローとなった。


 0―0の3回二死二塁から左前に先制タイムリー。結局、これが決勝点となり、第1戦のサヨナラ打、第2戦の勝ち越し打に続く、3試合連続の“勝利打点”をマークした。


 レギュラーシーズンは「4番・主将」の重圧にもがき苦しんだ。周囲が打ちまくる中、思うように結果が出ない日々が続き、リーグ優勝決定の瞬間は思わず男泣きしたほど。最終的な打率は2割8分4厘で、8年連続打率3割の右打者史上初となる快挙を逃したが、その思いは「記録を作りたいから3割打ちたかったわけではない」と振り払った。「CSと日本シリーズでは絶対に活躍してやろうと思っていた」と燃えていたという。


 決戦に向けては「打った打たないよりも、チームが勝つか負けるかの勝負。シーズン中よりも割り切ってやれる。いつもの状態に戻すより、そういうものと思ったほうがいい」と気負うことはなかった。


 これで4度のCS出場での通算は打率3割6分6厘、2本塁打、13打点。それにしても、シーズン中にあれほど苦しんだ男が、ここまで見事にCS男に変身するとは…。鷹の日本一連覇にも本領を発揮してくれそうだ。