阪神・金本監督誕生へ 球団が「フロント大刷新」約束

2015年10月17日 11時00分

ついに決断した金本氏

 阪神から次期監督就任要請を受け、態度を保留してきた大物OBの金本知憲氏(47)が悩んだ末に受諾することが濃厚となった。1日の初交渉から半月あまりが経過。“世界の鉄人”が第33代阪神監督としてチーム再建に乗り出す覚悟を固めた。

 


 引き受けるか否か…熟考を重ねてきた金本氏は、今日17日に球団に返答する。金本氏と親しい球界関係者は「まだ決めかねている部分もあるだろうが、前向きにもなっている。今の状況なら受諾するとみていい」と見通しを明かした。


 苦悩の道のりだった。これまで金本氏は阪神との交渉を3度にわたって秘密裏に行ってきた。南球団社長ら球団側の要請に「僕には荷が重い。指導者経験もない」と何度も繰り返し、初回交渉で要請を拒否した。交渉中は大半が自身の野球観、チーム改革案に終始しながら、監督問題については「(生え抜きの)OBの方はどうなんですか? 岡田さんがおられるんじゃないですか?」と同じ次期監督有力候補で2005年優勝監督の岡田彰布氏(57)を自ら指名してまで“抵抗”してきたという。


 無理もない。指導者経験がない上にチームはAクラスこそ維持しているものの、戦力は過渡期にある。相変わらずの助っ人頼み体質で若手の台頭も皆無…。常勝が義務付けられる人気球団の「重圧」、何よりチーム内から噴出する「このままなら昔の暗黒時代に戻る」との辛辣な見方も気になった。


 さらに「新監督」を引き受けることで生え抜きOBらの反発も危惧した。実際、ある大物OBは「次は岡田が監督をやってその下で金本が指導者の勉強するのが一番いい。いきなりやるのはどうか」とバッサリ。金本氏が「火中の栗を拾うようなもの」「引き受ければ貧乏くじ」とアニキ節で難色を示し続けてきたのもこうした懸念があったからだ。


 しかし、球団側の「何とかチームを助けてほしい」との悲痛な訴えが心を動かした。最大5年もの長期契約を提示されただけでなく、フロント大刷新まで約束され、その本気度を感じた。


 恩師2人の言葉も後押しとなった。「引き受けた方がいい。2度断ればチャンスがなくなるぞ」(楽天・星野仙一副会長)、「求められているのだから、応えるべき」(最福寺・池口法主)と揃って監督就任を強く勧められた。自分を育ててくれた古巣・広島の大物OBからも「広島出の選手が伝統球団の監督を頼まれるのはすばらしいこと。金本はウチで『人にチャンスはやるな』と教え込まれて決して休まない、フルイニング出場の記録を持つ大選手にまで成長した。今回のチャンスも絶対に他に渡してはいけない」とのエールも。


 問題山積みの阪神の来季のテーマは「変革」。これができるのは「金本新監督」しかいない。