阪神が来季の投手コーチとして広島OBの大野豊氏(60)の招聘を検討している。現在、大物OBの金本知憲氏(47)に監督就任を要請しており、誕生は秒読み段階。球団関係者は「大野氏なら金本氏が監督になっても合う。金本氏が尊敬している人物と聞いている」と話した。9月に急逝した中村GMが温めていたプランでもあるという。

 15日、球団は一軍の中西清起投手コーチ(53)、山口高志投手コーチ(65)、関川浩一打撃コーチ(46)、山脇光治外野守備走塁コーチ(53)、風岡尚幸守備走塁コーチ(47)と来季のコーチ契約を結ばないと発表。「退任されるコーチはタイガースのために大変尽力していただきましたが、チーム成績により決めた考えです」(高野球団本部長)。関川コーチは「選手たちはよくやってくれた。自分の力不足です」と話した。先に退任が発表された和田監督を支えたコーチ陣にも大ナタがふるわれた格好だ。そして大野氏招聘プラン。球団幹部は「金本氏が(監督要請を)受けてくれれば、その意向に沿ったコーチ人事を行うことも十分ある」とも話した。

 大野氏は1977年から22年間、広島一筋でプレー。軟式野球出身という異色の経歴ながら先発、抑えで活躍し、通算148勝、138セーブを挙げた。引退後も広島で99年、2010~12年に投手コーチ、04年のアテネ五輪と08年北京五輪では日本代表の投手コーチも務めた。昨年は阪神の秋季キャンプでも臨時コーチを任され、若虎からも分かりやすい指導が好評だった。大野氏も周囲に「(阪神投手コーチ就任に)支障はない」と話している。