セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦は12日、東京ドームで行われ、レギュラーシーズン2位の巨人が同3位の阪神に3―1で勝利。対戦成績を2勝1敗として4年連続のファイナルステージ進出を決めた。阪神は終戦。退任する和田豊監督(53)の“後釜問題”はどうなるのか。

 ファイナルステージ進出に失敗し、終戦となった阪神。球団は大物OB・金本知憲氏(47)の次期監督招聘に全力を注いでおり、この日も極秘交渉を行ったが、金本氏に近い関係者は本紙に「金本はまだ悩んでいる。(受けるか)決めかねている様子だった。まだ迷っている」と話した。そんな状況下で和田監督体制のコーチ陣が「金本よ、早く決めてくれ」と“悲鳴”を上げている。

 平田ヘッドコーチは「(自身の去就について)追ってさたがあるでしょう。監督を男にできなかった責任は感じている」と言い、すでに関川打撃コーチが、V逸の責任をとって今季限りでの退団を表明しているが、他の一、二軍コーチ陣は、その去就が不透明となっており、あるコーチはうなだれつつ、こう話す。「こういう成績だったから、みんな(退任する)覚悟はしている。だけど本音を言えば、早く決めてほしい。(コーチ人事は)金本の意向もあるから、金本が決めない限り、こちらも決まらないのは分かるけど…」

 別のコーチは「(退任か契約延長か)決まらないと、次の進路が決められないからね。フロントも苦しいところなんだろうけど…。だけど(監督が代わった)オリックスや楽天のコーチ人事もどんどん固まっていくし…。正直、早く金本には決めてほしい」と声をひそめながら話した。

 責任を痛感する一方、各コーチ陣にも生活がある。来年の収入を得るためにも“就職活動”をしなければならない。しかし、来季の新監督が決まらない上に、球団から解雇通告がない以上、自ら動くことはできない。残留させようとしてくれているかもしれないからだ。

 時が過ぎれば過ぎるほど、他球団でのコーチ職や評論家のイスは埋まっていくだけに、焦るな、と言われても無理な話。コーチ陣の悲痛な訴えは果たして“悩める鉄人”に届くか――。