次期監督として大物OB・金本知憲氏(47)の招聘を目指す阪神が、2003年優勝監督で虎のフロント要職も務めてきた星野仙一氏(68=楽天球団副会長)の「後方支援」を熱望している。

 ここまで金本氏とは2度の交渉を済ませている阪神球団だが、注目の返答はないまま平行線。指導者経験なしでの新監督就任への不安、組閣人事、家族の反対など諸問題を抱える金本氏だけに「焦らせてもダメ。粘り強く誠意を見せて、彼の心配事を取り除けるようにしていく」(球団幹部)と長期化も視野に入れている。そんな中“陰の交渉人”として期待されているのが、今回の交渉中に金本氏が「どうすればいいか」と助言を求めた星野氏だ。


 本紙の取材に星野氏は「決めるのは本人だけど若いんだからな。去年も(監督要請を)断っているんだから2度目も断ればチャンスがなくなる。受けた方がいいと(金本に)言った」という。この星野氏&金本氏の「やりとり」はすでに南球団社長ら複数の球団幹部の耳に入っており「星野さんがそう言ってくれてわれわれはありがたい。今後も(金本氏の)相談に乗ってもらって勧めてもらいたい」と熱望しているのだ。


 星野氏は、02年オフに広島からFA宣言した金本氏を阪神入団に導いた人。当時、阪神入りに難色を示した金本氏に「絶対に来い!」と半ば脅して移籍を強要したことは有名だ。球団もその師弟関係を熟知しているから今回も期待している。「星野さんは、次期監督は生え抜きOBでは改革できないと思っている。

 今でも『阪神の話題は、いつも1985年のバックスクリーン3連発や。そんなことばっかり球団も言っとるから勝てないんや』と苦言を呈している。本当にチームを変えるのは外部の人間、外様の金本が適任と考えてくれてるんでしょう」(ある球団関係者)。“陰の交渉人”星野氏の「後方支援」がどこまで効果を見せるか。