上本、江越先発に込められた和田監督のメッセージ

2015年10月11日 11時00分

厳しい表情で試合を見つめる和田監督

【大下剛史の熱血球論】 阪神・和田監督が気の毒に思えて仕方がなかった。同時に、どうして阪神球団はCS進出の可能性があった9月30日の段階で、和田監督の今季限りでの退任を発表しなければならなかったのかも疑問である。

 

 ファンやマスコミが次期監督についてウワサしたり、記事にするのはいい。しかし、球団が正式に発表してしまったら、ファンだってそっちに興味がいってしまうし、せっかくのCSも盛り上がらない。そもそも何のためにCSという制度を導入したかを考えれば、あのタイミングで監督人事に関する発表をするなどナンセンスだ。他球団も教訓にしてもらいたい。


 そんな中でも、阪神の選手たちはよく頑張っていたと思う。和田監督の用兵にも意気を感じた。巨人の先発が右のマイコラスだったにもかかわらず、1番に右の上本を据えたり7番で江越を起用したのはチームの将来を考えてのことだろう。捕手を若い梅野にしたのも「来年は頼んだぞ」という無言のメッセージだったに違いない。


 一方の巨人も心配だ。阪神に比べればCSに向けた準備期間もあったはずだが、シーズン中と何も変わっていなかった。打線からは何の迫力も伝わってこないし、マイコラスはシーズン中と比べて球威が落ちていたように思えた。結果的に器用な井端の起用が吉と出た格好だが、そういう形でしか点が取れないことを証明したのも事実だ。


 やるからには、プレーする側も見る側もハラハラ、ドキドキするような試合でなければ意味がない。CS制度のあり方を考えさせられる一戦だった。
 (本紙専属評論家)