広島が7日の中日戦(マツダ)に0―3で敗れクライマックスシリーズ(CS)進出を逃した。優勝候補に挙げられながらも失意のBクラスとなり、“3人のエース”の去就に注目が集まる。

 すでに15勝を挙げ最多勝のタイトルが決まっていた前田健太投手(27)はこの日、中4日で先発し7回無失点の好投をしたものの、勝利にはつながらなかった。「シーズン前半でつまずいたのが痛かったし、優勝できなかったのが悔しい」とガックリ。試合後のセレモニーでは最後までファンの声援に応え、一礼をしてグラウンドを後にした。メジャー挑戦の夢を持つ右腕だが「家族や球団などいろいろと話し合って決めていくと思う」とこの日は話すにとどめた。今後は球団側と話し合いの場を持ち、慎重に検討していく見込みだ。

 一方、黒田博樹投手(40)は11勝目を挙げた4日の阪神戦から中2日でブルペン待機したものの出番はなかった。8年ぶりの日本球界復帰となった一年について「完全燃焼はできたと思う。そういう意味では充実した一年だった」と振り返った。ただ、今後については「今の感情で決められることではない。体を休めてから考えたい。続けるにしても覚悟が必要なこと」と家族のいる米国に帰って熟考するという。現役続行を熱望する球団側も“無期限”で黒田の出す答えを待つ構えだ。

 その一方、来日1年目ながら14勝を挙げ、1・85で最優秀防御率のタイトルを手にしたクリス・ジョンソン(30)は来季もカープでプレーすることが決定的だ。2年目の選択権を持つ球団側は「ここまで日本野球にマッチしてくれるとは思わなかった。期待以上の働きをしてくれた。来季も必要な戦力であることは間違いない」(球団幹部)と高く評価し、2年目のオファーを出すという。

 3位阪神とはわずか0・5ゲーム差。結果的に9月12日の阪神戦での“幻の本塁打”に泣く形となったが、これだけの先発投手がいながらCS進出を逃したのはあまりにも痛すぎる。