崖っ縁のセ2位の巨人は1日のDeNA戦(横浜)が雨天中止となり、ナインは同球場内の室内練習場で汗を流した。原辰徳監督(57)はドラフト1位ルーキー・岡本和真内野手(19)を初めてマンツーマン指導。指揮官はもちろん、球団からも将来を嘱望される岡本には、本人を大きく育てるべく数多くの“刺客”が送り込まれようとしている。

 指揮官の熱血指導は時間を追うごとに熱を帯びていった。岡本を呼び止めて個人レッスンを始めると、身ぶり手ぶりを交えて打撃フォームを修正し、岡本の斜め前や正面からトスを上げてバットを振り込ませ、最後はフリー打撃を見守った。1時間近くに及ぶ初めてのマンツーマン指導を受けた岡本は「ボクは体が開くのでその矯正の打ち方を教えてもらいました。自分のものにしていきたい」と初々しく目を輝かせた。

 指揮官は「今日は中止ということで時間があったし。イロハの『イ』ぐらい」とこの日は多くを語らなかったが、岡本への指導は巨人の未来を背負ってもらえる存在と踏んでいるからこそ。優勝争いの真っただ中でも一軍で使い続け「物おじしない適応能力、順応性、そういうものはそこそこある選手だと思う。必要なのは長打力、勝負強さ。そういうものが出れば彼が中心選手になれると思う。ウチの中心選手は2割2分とか2割3分。打点だって一番多い人で70いってないでしょ(坂本の65打点が最多)。少なくとも90以上ぐらいにならないと。しかし、それならば中心選手になり得るわけだから」としみじみと話していた。

 岡本に大きな期待をかけるのは球団側も同じだ。それゆえに「厳しく育てる」との方針を立てている。

 岡本にとってはチーム内にすでに村田という大きな壁があるが、今後はさらに三塁を守れる外国人選手の獲得やドラフトやトレード…あらゆる手を使ってライバルを岡本に差し向けるつもりという。

 実力でレギュラーの座をつかんでこそ、チームの中心選手になれる。岡本は原監督や球団の期待に応え、数々の試練を乗り越えていけるか。