オリックスが、巡回アドバイザーを務めるアレックス・ラミレス氏(40)との契約を更新しない方向となっていることがわかった。フロント関係者は、ラミレス氏に入閣オファーを出していることを認めたうえで「監督へのこだわりがものすごく強い。コーチとして経験を積んでもいいと思うんだけど…。もう望みは薄い。残念だけど、縁がなかったということ。また、経験を積んで戻ってきてくれればいい」と話した。

 BCリーグ・群馬のシニアディレクター(SD)のラミレス氏は7月から3か月の契約を結び、一、二軍にかかわらず、月に5~7日間、球場を訪れて選手に打撃指導。T―岡田は「今まで考えていなかったことに気づかせてくれた。日本語も上手だし、わかりやすい」と感謝するなどナインの評判も上々で、フロント幹部も「データに基づいた頭脳的な理論にも優れている。技術だけでなく、学ぶところは多い」と手腕を高く評価。球団との契約延長は当然と見られていた。

 しかし、ラミレス氏の監督へのこだわりがネックだった。オリックスは新監督に福良監督代行を昇格させ、二軍監督に田口壮氏(46=評論家)の就任を決定。そのため、打撃コーチとしてラミレス氏にオファーを出していたが、DeNAの監督問題の推移を見守っているのか、現時点で返事はないという。チーム関係者は「名球会選手だし、せっかくかかわりを持てたのにもったいない。このままなら他球団に持っていかれるかもしれない」と見ており、さらに「今のチームに必要なのはラミちゃんのような明るさ。この3か月は何だったんだ。ラミレス側にしっかりした説明がなされていないんじゃないか」との声も…。さらに前半戦に活躍したラミレス氏の愛弟子のカラバイヨの残留も微妙となっている。

「秋季キャンプまでには整えたい」(瀬戸山球団本部長)と福良新体制の組閣を調整しているオリックスだが、ラミレス氏の入閣“ゲッツ”は厳しいようだ。