巨人が中日の“お家騒動”に乱入か――。球団はスカウト会議でドラフト上位指名候補を10人に絞り込んだ。

 山下スカウト部長によれば最終リストに残ったのは67人。「上位候補は高校生投手では、小笠原(東海大相模)、高橋(県岐阜商)。大学生投手は、熊原(仙台大)、今永(駒大)、上原(明大)、岡田(大商大)。高校生野手は平沢(仙台育英)、オコエ(関東第一)。大学生野手は高山(明大)、吉田(青学大)。これがだいたいのポジション分けの候補」と明かした。野手候補の筆頭は、将来性抜群のオコエだ。山下部長が「甲子園での活躍でAクラスになった」と語ったように、夏場以降に球団内で評価が急上昇。外野手指名を4年連続で見送っている経緯もあり、競合覚悟で指名を推す声が高まっている。

 投手では依然、小笠原、熊原らが高い評価を得ている一方、この日球団内からも驚きの声が上がったのは、これまで名前の挙がっていなかった高校生ナンバーワン右腕・高橋の名が急浮上したこと。実はこの日の会議に参加したスカウトによれば、高橋の上位リストアップは、最近の中日内部のゴタゴタを受けて決まったことなのだという。

「高橋に関しては、地元の中日が間違いなく1位指名すると思っていました。それが今永を推す落合GMと、高橋を獲りたい谷繁監督の間でもめているという情報がありましてね。高橋は高校生では小笠原と並ぶ最高評価の投手なのは間違いない。『単独指名できる隙があるのなら検討しようじゃないか』となったんです」

 山下部長によれば、最終候補の絞り込みはどうやら22日のドラフト会議直前にずれ込みそうだという。高橋の急浮上で、がぜん混沌とする巨人のドラフト戦線。今年は思わぬサプライズ指名があるかもしれない。