ソフトバンクの元3冠王・松中信彦外野手(41)が27日のロッテ戦(QVCマリン)に7番・指名打者でおよそ2年半ぶりのスタメン出場をした。

 結果は3タコで今季は22日の日本ハム戦から6打数ノーヒット1四球。それでも工藤監督は今後も代打やDHで起用する方針で、19年目のベテランは残り7試合で引退覚悟の“7番勝負”に挑むことになった。

 中日の小笠原、和田、西武・西口、オリックス・谷ら、ともに一時代を築き上げた同年代の選手がユニホームを脱ぐ。松中自身にもその覚悟がないわけではない。功労者のため球団からは進退について一任されているものの、今季は優勝決定まで二軍で事実上の構想外。「本人次第」と話す球団側も、見通しについて「来季も状況は大きく変わらないだろう」と伝えている。

 一方で二軍では打率2割9分9厘、11本塁打、38打点と存在感を発揮した。一軍の戦力になれるなら、現役を続けたいとの思いもある。指揮官は今後もDHもしくは代打で打席を与える方針だ。工藤監督はCSに向けて「どうするか見定めたいと思う」とも話す。松中にとっては残す7試合が一軍戦力としての立場をかけた大勝負になるというわけだ。

 試合後の松中は「結果を出したかったですけどね。関東のファンの人に喜んでもらえたのはよかった。悔いが残らないように、残り何打席あるか分からないですが頑張ります」。もちろん、最後は本人がどう決断するか。28日からの本拠地・ヤフオクドームでの4連戦が大きな意味を持ちそうだ。