栗山監督「優しさ8割+厳しさ2割」

2012年10月03日 11時31分

 日本ハムがついに栄光のゴールインを駆け抜けた。優勝マジック「1」で迎えた2日、チームは試合はなかったが、西武がロッテに敗れ、3年ぶり6度目のリーグ制覇を達成。昨季までの絶対エース・ダルビッシュがメジャーに移籍し、主力の故障による離脱も相次いだ。誰もが危機感を募らせたが、就任1年目の栗山監督がその手腕で下馬評の低さを覆し、見事ペナントを手にして見せた。

 試合がないにも関わらず、札幌ドームのスタンドには1万5608人が駆けつけた。優勝が決まると外野グラウンドが開放され、一部のファンはダイヤモンドを取り囲み、V戦士たちを祝福した。大歓声に包まれながら登場した栗山監督。ナインが作った歓喜の輪の中心で胴上げされ、目を少し赤くしながら合計11回も宙を舞った。コーチさえも経験せずに監督に就任し、1年目にしてパ・リーグの頂点を極めるという快挙を成し遂げた。誰に対しても愛想のいいキャスター時代の印象から「厳しく選手に当たれるのか」と当初は指揮官としての資質に疑問を持たれていた。フタを開けてみれば優しさ8割+厳しさ2割に、野球に対するあふれんばかりの情熱をブレンドした“栗山流情熱さい配”でナインを一つにまとめ、チームを3年ぶりの覇権奪回に導いた。

 キャンプから選手とのコミニュケーションを欠かさず、また細かな気配りも忘れなかった。裏表がない真摯な性格、選手を信頼し、可能な限り使い続けるという姿勢も選手の支持を集めた。

 セットアッパー・増井は「(ホールド王の)タイトルが取れたのも監督、コーチが使い続けてくれたおかげ」と感謝し、23歳の4番・中田が「打てない時も我慢して使い続けてくれた監督に感謝しています」と頭を下げる。これらの言葉は、栗山監督がナインの間に着実に強固な信頼関係を築いてきた証しだ。

 そんな熱血監督が自らの私情に流されることなく“非情”を通したのが開幕投手・斎藤に課した2か月間の二軍降格処分だった。7試合目のDeNA戦でようやく7回無失点と結果を出し、モルケンが負傷したことにより9月29日に緊急昇格させた。一軍に上げてもいいと判断できる条件が整うまで、指揮官は斎藤を完全に突き放していた。

 昨年まで取材者として球団のシステムを深く知り「競争原理」というチーム原則に賛同してきたからこそ斎藤を特別扱いすることを自ら禁じた。これがチーム内の結束をさらに高め、終盤の混戦を勝ち抜く原動力となった。“栗山さい配”がぶれない限り、日本ハムがポストシーズンでもペナントレースと変わらない強さを発揮するに違いない。

 

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