中日の指揮官とGMのバトルは、いったいどうなってしまうのか。今季限りでの現役引退を決断した谷繁元信監督兼捕手(44)と落合博満GM(61)の“不仲問題”はヒートアップ。水面下でも谷繁派と落合派が、それぞれの言い分を主張するなど、火花バチバチ状態なのだ。

 ドラフト戦略など多方面で意見が食い違った谷繁監督と落合GMの対立は、まだまだ収束しそうもない。チームは45年ぶりの3季連続負け越しがすでに決定。本来ならドラゴンズ再建に向けて来季から監督専任となる谷繁監督と落合GMが一枚岩となって、チーム改革を進めていかなければならないのに、両者を取り巻く人たちまで“代理戦争”をおっぱじめるほど過熱している。

 谷繁派のチーム関係者は落合GMに対して、こう怒る。「最下位に低迷しているのに、GMは“俺に責任はない”とか“俺ならこの戦力があれば優勝させているよ”と現場に非があるようなことを言っていると聞く。責任がないなんてよく言えるよ。むしろGMとしての仕事をちゃんとしていないから、こういう成績になってしまっているのに。そうした自覚が全くない!」

 別の谷繁派も「GMからは全くビジョンが見えない。和田、小笠原、川上らベテランを一挙に戦力外にするなんてありえない。今でも6位なのに、こんなやり方ではしばらく低迷期が続くよ。去年のドラフトではGMが即戦力にこだわって高校生はゼロ指名だったのに、目立った活躍をしたルーキーはいない。しかもそれについてもGMは“スカウト部が悪い”と言っているそうだ。おかしいよ」と不満タラタラだ。

 一方の落合派のチーム関係者も負けてはいない。こちらは谷繁監督が専任監督となる来季へ向けて白井オーナーに「落合GMから、いろいろ口出しされることなく、自分のやりたいようにやらせてもらえませんか」との意向を伝えていたことに憤る。

「それは一番してはいけないことだろ。組織というものを分かっていない。そもそも、球団初のGMというポジションを設置したのは白井オーナー。落合GMを信頼してのことだよ。そんないきさつがあるのに…。そのGMに文句をつければ白井オーナーの考えに文句をつけたのと一緒。オーナーも快くは思っていないはず」

 さらには「チーム打率もチーム防御率もそんなに悪くないのに、この成績なのは采配面に問題があるから。それでGMのやり方に文句をつけるなんて…」とあきれ口調だ。

 まさに泥仕合。いったい、どんな形で決着するのか。目が離せない。