広島投手陣が“男気”でラストスパートをかける。18日の中日戦から始まる12連戦で先陣を切る黒田博樹投手(40)は「しっかりと試合を作ってその次に勝ちが付けばいい」と気合十分。首脳陣は逆転Vへの勝負手として黒田を今後、100球前後の中4日で回す構えで、まさにフル回転することになる。

 そんな黒田の“男気ローテ”から刺激を受けた若手投手陣に、男気が拡大している。チームトップの61試合に登板している守護神・中崎は「毎日でも投げるつもりで準備をしている。(出番を)譲りたくないという気持ちでやっている」とキッパリ。今季途中に中継ぎに転向しセットアッパーとしてブルペンを支えている大瀬良も「残りの試合、全部投げるつもりでいる」と腕をぶしている。

 2人とも若いとはいえ連投や回またぎが続いているだけに疲労困ぱいのはず。それでも登板へ向けて気迫満点なのは、満身創痍の状態でも顔色一つ変えずにマウンドへ上がる黒田の影響だ。「40歳の黒田が間隔を詰めて登板することで『自分たちが疲れたと言っている場合ではない』と感じている。けがには細心の注意が必要だが、そうした心意気は勢いを与える」(チーム関係者)とチームの士気を上げることにつながっているのだ。

「いつ壊れてもいい」とその日の登板に命懸けで臨む黒田の精神が、赤ヘルの逆転Vへの鍵になりそうだ。