中日・谷繁元信監督(44)と落合博満GM(61)の対立は今に始まったことではない。2人の食い違いが表面化したのは昨年のドラフトだった。谷繁監督は亜大の山崎康晃(現DeNA)と三菱重工名古屋の高木勇人(現巨人)の両投手の獲得を熱望したが、落合GMは1位で三菱日立パワーシステムズ横浜の野村亮介投手、2位で九産大の浜田智博投手を獲得した。2人が結果を出していれば問題はなかったが、野村は3試合で2回2/3を投げ、6失点(自責点3)、浜田智は1試合で2/3回を投げ3失点と問題外。一方、山崎康はリーグ3位の34セーブ、高木は8勝と活躍しているのだから、納得できないのは当然だ。

 今年のドラフトも現場、球団は地元のスター、県岐阜商の高橋純平投手を競合覚悟で1位指名すべきという声が圧倒的だが、落合GMは駒大の左腕・今永昇太にご執心だという。今永は左肩腱板炎症のため今春未登板。ようやく11日の日大戦で復帰、1回を投げた。

 また、和田一浩外野手(43)と小笠原道大内野手(41)が今季限りで現役引退するが、これを主導したのも落合GMとされる。年齢だけ見れば仕方ないとも思えるが、和田は打率2割9分3厘、5本塁打、24打点。小笠原が打率3割1分8厘、8打点。代打の切り札としてまだまだやれる、の声はチーム内に根強い。

 12日に1か月半ぶりに緊急昇格した小笠原が同日のヤクルト戦で同点の6回二死満塁で代打をコールされるとスタンドから大歓声。決勝適時打を放つとさらに大拍手を浴びた。和田も13日のヤクルト戦の8回先頭で代打で登場するとファンからの大歓声を背に左中間を破る二塁打を放った。力も人気も健在の2人がなぜ、引退…。落合GMの不透明な選手評価に谷繁監督が不信感を募らせるのも当然か。