3018試合のプロ野球最多出場記録を持つ中日・谷繁元信監督兼捕手(44)が今季限りでの現役引退を決断した。4年契約の3年目となる来季は監督専任となるが、その状況はまだまだ波乱含み。関係者によると、指揮官は落合博満GM(61)の存在に頭を悩ませ、白井文吾オーナー(87)に相談しているというのだ。

 現役引退を決意した谷繁兼任監督は「気持ちは固まっている。そのときがきたら話します」とコメント。プロ27年目の今季は7月に3018試合のプロ野球最多出場記録を達成したものの腰痛などもあり、その後の出場機会はなく、14日現在、27試合にとどまって打率2割7分3厘だった。

 チームは45年ぶりとなる3季連続負け越し。来季は、そこからの巻き返しに向けて監督専任となってドラゴンズ再建を目指すことになるはずだが、ここへきてチーム内で不穏情報が飛び交っている。

 あるチーム関係者がこう話す。「谷繁監督は落合GMに対して不満を募らせているようだ。GMがドラフト戦略を最後に鶴の一声でひっくり返したり、これだけチーム状況が悪くても他球団のような目立った補強をしなかったことや、来季に向けてのコーチ陣の入れ替えや、小笠原や和田ら選手の進退についてなど、いろいろな面でね」

 さらに別の関係者は「谷繁監督は刺し違える覚悟で白井オーナーに来季、専任監督になるにあたって、落合GMからいろいろと口出しされることなく、ドラフトや戦力補強、采配面などで自分の思ったようにやらせてもらえるようにできないか、との意向を伝えたようだ」というのだ。

 もはや、このことは、かなり噂になっているようで「谷繁監督はこれまでは兼任監督だったから落合GMや森ヘッドコーチらを頼りにしてやってきた部分もあるが、専任監督になっても自分の思い通りにできないなら、お飾り監督でしかないからね。そう望むのは当然のことだと思う」との声もあれば「そもそも(谷繁監督は)落合GMに指名されて監督という要職に就けたのだから、こうなることは分かっていたはず。文句を言うのはお門違いではないか」と話す関係者も。それこそ、谷繁派と落合派に分かれている感じさえあるほどだ。

 そんな中、白井オーナーは14日、東京都内で開かれたプロ野球の12球団オーナー会議に出席。報道陣から谷繁監督への評価は変わらないかと聞かれ「まだわからん」と言い、指揮官としての来季以降の契約については「いやあ、何かいろんな説があるからな。契約書、調べてるよ。いや、ホントだよ。俺が知ってるのと違うんだよ。来季も谷繁監督に立て直してほしい? それはな…。本人に聞いてくれ」と意味深な発言をした。

 前半戦を借金8の最下位でターンした際には「いろいろなことを言われると思うが、監督がこうだと思う方向に進んでいけばいい」と谷繁監督の来季続投は既定路線との見方を示していた白井オーナーだが、やはり何かが起きているのか。予断を許さない。