広島・堂林翔太内野手(24)が阪神戦でスタメン起用に応えた。無安打で迎えた9回、二死二塁のチャンスで阪神・呉から適時打を放ち貴重な3点目を挙げた。これが今季初打点となったプリンスは「今季初めて仕事ができた。残りの試合も自分がやれることをやっていくだけ」と気を引き締めた。

 打撃不振やチーム事情のため二軍暮らしが長かったが、ファームでは“裏方仕事”にも取り組んだ。ウエスタン・リーグの試合前には自分の打撃、守備、走塁練習の他にスタッフが務めるはずの打撃投手を買って出たという。打者に向かって投げることで送球の向上を図るためだ。甲子園優勝投手だが、送球に難のあった堂林は「コーチから提案してもらってやっていた。久しぶりの感覚で楽しかった。打撃だけではなく守備もしっかりやらないといけないので」とこの練習法の効果を実感。打撃投手ができないときはブルペン投球で送球を磨くこともあったという。

 実際、この2試合では鋭い送球でアウトにしてその成果を発揮。また「守備の不安は打撃にもつながってしまう。守備からしっかり改善しようという意識は打撃にも好影響が出るはず」(チーム関係者)というように、昇格直後の阪神戦(12日)では2安打を放つなど、打撃でも成長の跡をみせている。

 泥まみれになりながら、ひと皮むけた堂林が赤ヘル反撃の起爆剤となるかもしれない。