<広島3-0阪神(11日)>広島・黒田博樹投手(40)が阪神戦に先発し、8回2安打無失点の快投で9勝目を挙げた。9回続投を志願し、首脳陣からストップをかけられるほど気合満点だった右腕は「チームが勝ったことが一番。大瀬良、中崎が毎試合スタンバイしている。もう少し若かったら休ませられたかもしれなかったが…」と苦笑いを浮かべた。

 2戦連続で無失点とシーズン終盤の勝負どころにきて調子を上げてきた男気右腕は最近、“黒田流イジリ”で若手投手を奮起させている。ターゲットは守護神を務める中崎だ。17歳年下の中崎に対し、事あるごとに「ちょっと、やせたんじゃないのか? ちゃんと食べているのか?」と声をかけているという。実際は体重減しているわけではなく、むしろ96キロのぽっちゃり体形を維持しているのは明らか。もちろん、中崎は「お決まりのジョークみたいなものなんです。でも、ありがたいです」と喜んでいる。

 黒田からの直々のイジりを受ける中崎は、苦しみながらも守護神の座を守って59試合に登板。黒田の後を受けたこの日も三者凡退に抑えて23セーブ目を挙げた。

 そんな状況にチーム関係者も「気さくにジョークを飛ばすのは、慣れないポジションで頑張っている中崎への黒田なりの気遣いだと思う。中崎も、それを感じて頑張っている」と目を細める。

「スライダーは少し状態が良くなってきた。次回もチームが勝てるようなピッチングを心がけたい」と、早くも次を見据えている黒田は、イジりでもチームに貢献している。