日本ハム・大谷翔平投手(21)が、10日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で6回0/3を10安打7失点の背信投球。自己ワーストの5敗目(13勝)を喫し、チームはソフトバンクに3連敗した。

 大谷は「相手打線よりも自分がしっかり投げるべきところに投げれていない。(今宮の勝ち越し打は制球が)甘いですよね。(フォークが)しっかり行っていたら三振を取れた場面」と意味深に敗戦を振り返った。

 前半戦無敵の10勝1敗、防御率1・43を誇りながら、後半戦7試合は3勝4敗、防御率4・38と昨年同様に失速。CS下克上のためには避けて通れないソフトバンクとの対戦成績は4試合で1勝2敗、防御率6・58で、大谷の苦手意識だけが増幅されてしまった。栗山監督も「翔平には厳しく言ったかもしれないけど、日本を背負って立つ投手になると思って進んでいるわけだから」と、勝負どころでの背信投球に苦言を呈した。

 その大谷には将来的な移籍を想定してマークを続けるメジャー側から、気になる課題が指摘されている。あるナ・リーグ球団スカウトは「ストレートと決め球のフォークの精度は確実にアップしている」とした上で、こう続ける。

「問題はタフネスの部分。彼はアマチュア時代も含め、そのカテゴリーの中の長丁場を戦い抜いた経験がない。今も中6日以上を空けた過保護な間隔の中で周囲に守られながら投げている。疲れ切った状況の中で、それでも闘志をみなぎらせて勝ち抜いた経験がない。その意味では高校時代に甲子園で春夏連覇した藤浪の方が心がタフ」

 メンタル面での物足りなさを指摘する同スカウトは「160キロが話題になるけども、シーズン全体を通してチームのエンジンになり、けん引した実績がない。そこが今の彼の不安材料でもあるし、日本で彼が過大評価されてしまっている部分」とも語った。勝負どころでガス欠気味になっている現状では納得するしかない指摘であり、まだまだやるべきことがある。