楽天の編成トップとなった星野仙一取締役副会長(68)に対し、現場からは歓迎の声が相次いだ。

 8日、楽天の立花陽三球団社長(44)は星野副会長の役割について「ベースボール・オペレーション(競技関連業務)の総責任者」と説明。監督人事や選手補強といった編成の全責任を担うのに加え「GMと違い取締役なので経営の助言もいただく」とも話した。メジャーでカブスのセオ・エプスタイン副社長が務める「編成統括責任者」の日本版で、銀行員時代に米ハーバード大への留学経験を持つ三木谷浩史オーナー(50)にとっては悲願のメジャー流導入と言える。

 チームは2年連続で下位に低迷し、大久保博元監督(48)が辞意を表明。まずはドラフト戦略と次期監督の選任が星野副会長の双肩にかかることになるが、現場は大歓迎だ。

 スカウトの一人は「星野さんが上で指揮を執ってくれれば方針もはっきりして我々も動きやすくなる」とキッパリ。また別の編成担当者も「星野さんなら(三木谷)オーナーの防波堤になってくれる」とオーナーの過剰な現場介入を避ける意味でも星野副会長に期待する。

 さらにFA権保有選手の去就にも影響がありそうだ。今オフは嶋基宏捕手(30)、聖沢諒外野手(29)、青山浩二投手(32)らのFA権行使に注目が集まるが、いずれも星野監督時代の2013年に日本一を経験しており、直接の慰留は大きな力となるだろう。

 楽天が星野副会長の下、日本一再奪還に向け再び一枚岩になれるか、見ものだ。