楽天は7日、星野仙一シニアアドバイザー(SA=68)が球団の取締役副会長に就任すると発表した。

 近く行われる球団の臨時株主総会後に決定する。星野氏は2014年に監督を退任後、SAに就任し、一歩離れて球団にアドバイスを送る立場になっていた。今季限りで辞任する大久保博元監督(48)にも「好きなようにやれ」とエールを送っていた。

 この日、都内で行われたプロ野球実行委員会に出席した安部井寛チーム統括本部本部長は「8日に(球団の)立花(陽三)社長が説明します」と、副会長の具体的な権限については明言を避けた。

 星野氏の副会長就任は、2年連続で下位に低迷するチームへのテコ入れ策に違いないが、なぜ「監督」や「GM」ではなかったのか。そこには、現場介入が大きな波紋を呼んだ三木谷浩史オーナー(50)の思惑が見え隠れする。

 星野氏に、監督やGMよりも権限が強く、取締役会にも出席できる「副会長」という肩書を与えたことにより、再び三木谷オーナーの現場介入が問題視されても「すべては星野さんも了承済み」として批判の矛先をかわせる。また、GMより副会長のほうが、よりオーナー寄り。三木谷オーナーの意をくんだ星野氏の指示なら、現場も嫌とは言いにくい。

 一方、星野氏にとっても、監督辞任の原因となった体調面のことを考えれば、現場復帰より負担が軽減されるのは言うまでもない。

 三木谷オーナー、星野氏双方にメリットのある今回の副会長就任。ただ、この状況下で、望んで監督をやりたがる人がいるかどうかは疑問だ。