各球団が頭を悩ませる正捕手育成…達川コーチが語る「リードの極意」

2015年09月09日 10時00分

巨人の正捕手として期待のかかる小林

【赤坂英一「赤ペン!!」】このところ、正捕手を育てるのに苦労しているチームが目立つ。最たる例は「こんな捕手を使ってるうちは勝てない」とテレビ中継の解説で野村克也氏にこき下ろされた巨人・小林。「どの打者に対しても初球内角から入っている。強気に攻めているつもりだろうが、狙い球を絞られやすく、一発長打を食らう危険性が高い」と言うのだ。

 

 実は、広島の会沢にも似たような欠点がある。チーム関係者いわく「例えば、最初の打席で内角で凡退させた打者には、2打席目以降も同じ内角で仕留めようとする傾向がある。会沢本人は攻撃的リードだと思ってるんだが、相手打者に読まれて痛打されるケースが結構多いんです」とのこと。

 

 中日の達川チーフバッテリーコーチに、こんな話を聞いたことがある。「内角、イコール強気の攻めじゃと思い込んどる捕手が多いが、これは勘違いなんよ。大胆に外角を攻めることも必要で、そういうのも十分強気なリードと言えるんじゃ」

 

 その達川コーチの指導のかいあってか、中日では3年目の杉山が正捕手に定着しつつある。東総工時代に千葉高校球界随一の捕手として勇名をはせながら、早大でエースだった斎藤(現日本ハム)にキャッチングの難点を指摘され、一塁手に転向せざるを得ず。プロ入りする際は「捕手でレギュラーになりたい」と宣言した根性の持ち主だ。

 

「キャッチングもけん制もうまくなったよ。打撃力はもともと、大学4年で3冠王を取っとるほどじゃからね。それに、何と言うても頭がええわ。早稲田じゃもん、東洋大のワシとはモノが違う」と、達川コーチも頼もしそうに目を細めている。

 

 昨季後半から台頭してきたロッテの田村もなかなか面白い存在である。2012年秋のドラフト3位で光星学院から入団するや、山中二軍バッテリーコーチ(現東京国際大)が「これまでに私が見てきた中で一番の素質を持っている。いずれは正捕手になるでしょう」と絶賛。その山中コーチが見込んだ通り、3年目で正捕手に最も近い存在へ急成長を遂げてきた。

 

 もっとも、現役時代に名捕手だった伊東監督には注文を付けたいところも多いらしい。特に打撃で不振に陥るとつい考え込んでしまい、リードのほうがおろそかになりがちだという。巨人に限らず、正捕手を育てるにはどこでも苦労しているのだ。