中日・山井大介投手(37)が3日のDeNA戦(ナゴヤドーム)に8月4日以来、1か月ぶりに先発し、勝ち星はつかなかったが6回無失点の好投を見せた。「無駄な四球があったけど、中3日ということを考えれば、十分投げられたかなと思います」と本人も納得の投球となった。

 昨季の最多勝右腕も今季はなかなか思い通りの投球ができず。4勝10敗と大きく負け越し、この1か月はローテを外れ、中継ぎを務めた。結果的に「悪かったときは、いいところに投げようとか、打たれたらダメとか思ってフォームを崩していたけど、中に入って無駄な考えがとれたんじゃないかな」(谷繁監督)と功を奏した。

 もっとも、首脳陣にとって悩ましい問題も…。今季の中日のリリーフ構想はセットアッパーに又吉、抑えに福谷だった。しかし、ともに機能せず、リリーフ崩壊状態。そんな危機を救ったのが山井。かつては守護神も務めた男がローテを外れ、中継ぎになると、ブルペンは落ち着きを取り戻し、チームも一時、3位・巨人に4・5ゲーム差まで迫った。「ブルペンを引っ張ってくれた。精神安定剤となってくれたね」(友利投手コーチ)。改めてリリーフ能力の高さを示したことで「(山井には)本来なら来年も先発でやらせたいけど、福谷があんなだったら来年はリリーフということも考えなきゃいけないだろう」(チーム関係者)との声が出ているのだ。

 来季の山井のポジションについて、友利コーチは「あいつが一番成績を残せるところで」というが、かなり頭を悩ませることになりそうだ。