日本ハム・大谷翔平投手(21)が2日のロッテ戦(東京ドーム)で6回を7安打3失点。角中に先制2ランを打たれるなど要所で制球を乱し、4敗目(13勝)を喫した。

 大谷は「今日は自分のやるべきことができていなかった。全体的に得点圏に走者を置いた前後で(投球が)違っていた。それがいい時はいいですけど、今日は裏目に出た」と打者だけに集中できなかったと振り返る。ロッテの走者と清水雅治三塁ベースコーチ(51)にかく乱されていたのだ。

 角中に先制弾を打たれた直後の一死無走者、打者・デスパイネの場面ではタイムをかけて打席を外したデスパイネに気付かず、なぜか顔は三塁方向を凝視したまま。長いセットポジションのまま清水コーチと“戦って”いた。5回一死で三塁に鈴木を置いた場面でも清水コーチが1球ごとに鈴木になにやら耳打ち。大谷がセットに入るタイミングで走者をチョロチョロ動かしてきた。6回一死一、三塁の場面でも清水流によって集中を乱された大谷はクルーズに適時打を許した。

 清水コーチは2012年まで5年間、日本ハムに在籍していた名三塁ベースコーチ。相手投手のクセを見抜く能力にたけ、12年の巨人との日本シリーズ前にその年14勝を挙げパ・リーグMVPに輝いたチームの勝ち頭・吉川のセットポジション時のクセを見抜いて矯正。だが吉川は翌年からロッテに移った同コーチを意識するあまり、打者に集中できず自滅するというパターンが続いた。

 同コーチの存在が、この日の敗戦の伏線になっていたことは明らかだった。