巨人は2日、金沢で行われたヤクルト戦に3―5で敗れ、連勝は3でストップした。誤算だったのは、5回途中5失点KOの先発アーロン・ポレダ(28)だ。初回から2盗塁を許すなど“弱点”を相手に突かれてやられ放題。終盤を迎えて失速気味の左腕の扱いに、ベンチは頭を悩ますことになりそうだ。

5年ぶりの巨人戦を楽しみに詰め掛けた金沢のファンからも、思わず失笑が漏れた。まず最初は初回一死二塁で、山田を迎えた場面だった。

 カウント1―1から、ポレダが3球目の投球動作に入る直前、二塁走者・比屋根がわかりきったようにスタートを切った。しかしポレダはけん制できず、そのまま投球。捕手の加藤は投げることすらできず、まんまと三盗を許した。

 これで動揺したポレダは、警戒していたはずの山田に左前へ運ばれ先制を許すと、続く畠山に1ボールからの2球目を投じようとした直前、今度は一走・山田が投球動作に入る前からスタートを切り、あっさり二盗を決めた。

 ツバメの“足攻”で完全にリズムを乱されたポレダは結局、初回に2点を失うと、その後も制球に苦しんで失点を重ね、5回に2四球で一死一、二塁の危機を招いたところで降板を告げられた。

 乱調のポレダについて、斎藤投手コーチは「毎回走者を出しているようじゃダメ」とバッサリ。初回に2盗塁を許したことについては「それはもう、ずっとだから」と吐き捨てた。一方、7敗目の左腕は「(盗塁は)不意を突かれたところもあるが、今まで散々言われてきたこと。練習しなくてはいけない」と語った。

 チームスタッフは「ポレダは打者に集中しすぎて、走者が見えなくなることがある。クセを盗まれているというより、今回もその特徴を突かれたんだと思います」と話したが、投球動作前に走者にスタートを切られるというのはさすがに尋常ではない。

 他球団スコアラーは首を振って「いや、おそらくクセでしょう」と断言すると「投球までのルーティンに傾向が出ているのでは。『この流れで前を向いたら、絶対にけん制はない』とか、ヤクルトはデータを持っているのだと思います」と推測した。

 巨人が把握していないポレダのクセを、ヤクルト側がつかんでいるとすれば、修正するまでは使いづらくなる。原監督は「初回の2点はともかく、その後の点の取られ方がらしくない」と、2盗塁を許したことについては責めなかったが…。

 マイコラスが“仮病疑惑”で揺れているところに、ポレダにも新たな問題が発生。これまで巨人をけん引してきた優良助っ人コンビに、不安な空気が漂ってきた。