中日は同一カード3連敗で最下位に転落。巨人には5年連続負け越しが決まった。8月はこの日の試合前時点で4試合負けなしの4連勝、対巨人は2戦2勝、防御率0・60だった若松駿太投手(20)が5回6失点とまさかの炎上。連敗を止められなかった。

「今日は全体的に球が高かった」。若松は反省したが、敗戦の裏側には別の理由もあった。1つは3回、1点を失い、なお一死一、二塁の場面。長野の打球は遊ゴロ併殺コースに飛んだ。ところが、遊撃手のエルナンデスが三塁寄りにポジションを取っていたため、チェンジとなるのが逆に中前適時打となりピンチが広がってしまった。辻野手総合コーチは「いちいちベンチから一球一球(ポジショニングの)指示はできない。たまたま、あそこに飛んだだけ」と話したが、チーム関係者は「打ち取った当たりだからあそこに飛ぶ。それがタイムリーでは投手はきつい」と同情しきりだった。

 2つ目は3点目を与えた3回一死満塁からの村田への押し出し四球。最後の1球はストライクのようにも見えたが、判定はボール。「逆球だからボールになった。審判は(捕手の構えで)ここに来るだろうと予測しているから逆球だとボールと判定しがち。ベテランの捕手は最初に『逆球もありますよ』と言っておく。そうしておけばちゃんととってくれる」とチーム関係者は言う。

 2つの不運に加え「阿部なんか、ぶんぶん振ってこないでちょこんと当てにいってセンター前に運んだ。相当考えてきたんだろう」(ベテランスタッフ)。巨人の“若松対策”がはまったことも予想外の結果につながった。