「U―18ベースボールワールドカップ」が28日に開幕し、日本代表は1次リーグA組初戦のブラジル戦(舞洲)に14―0と7回コールド勝ちして好スタートを切った。話題の“怪物1年生”清宮幸太郎内野手(早実)は3打数1安打2打点と活躍し、チームの大勝に貢献した。そんな中でナインは清宮を巻き込んで“もうひとつの世界一”になろうと盛り上がっている。

 サムライ打線が14安打14得点の大爆発で圧勝発進した。「4番・DH」の清宮は4回の第3打席に二死満塁から押し出し四球を選んで初打点をマーク。5回の第4打席には二死一、三塁から遊撃への適時内野安打を放つなど、チームの大勝に貢献した。


 それでも1安打に終わったことで清宮は「甲子園も初戦は全然ダメだった。始まりはこんなもんかな、という感じ。4番としてチームの力になれず、個人の結果を追い求めすぎてしまった」と反省しきり。続けて「ブラジルは一人ひとりいいものを持ってるけど、チームとしてウチの日本の野球が勝った」とナインへの感謝を口にした。
 西谷監督も「やはり初戦は固くなるな、と思った。打線についてはバッティングは水物なので、つないでつないで。今日はつながりの結果、これを明日につなげたい」と先を見据えている。


 急造チームの“合宿生活”も1週間が経過したが、宿舎ではナインがもうひとつの“世界一チャレンジ”を画策している。1人に1部屋が与えられ、ユニットバスがあるのだが、チームのムードメーカー船曳(天理)がなんと「みんなで(ユニットバスに)入れば絆も深まる。コミュニケーションのためには絶対必要」と“裸の付き合い”の大切さを力説。前日27日の夜に小笠原(東海大相模)を誘い、一緒の湯船に漬かったという。


 当然、広くないユニットバスなので「2人で入ったら湯が半分になりました」とは小笠原。それでも船曳は窮屈さなどお構いなしで「リラックス効果を高めるため、バブを入れてます。昨日は2人なので、ゆずの香りのやつを2つ入れました。気分的にも高まるものがありますね」とノリノリ。28日は杉崎(東海大相模)らも含めた4人で入浴すると言い、今後は徐々に増やしていきたい考えだ。


 ここまで“すし詰め風呂”にこだわるのは、結束力を高めるだけでなく、もうひとつの理由が…。それが「ギネス世界記録への挑戦」だという。似たような?ケースなら「電話ボックスに一度に入った人数」のギネス世界記録が16人とも言われる。果たしてユニットバスの記録があるのかは定かではないが、船曳は「20人の代表全員で入れば達成できますか? そうだといいです」と悪ノリ。自分たちで「世界一」を設定し、野球の世界一に弾みをつけようというわけだ。


 しかし、その大きな“難関”となるのが清宮だ。身長184センチ、体重97キロの巨体をいかにして狭いユニットバスに押し込むか…。そこに“記録達成”がかかっているかもしれないとあって、船曳は「やってみます」と悪ノリ。唯一の1年生の清宮も裸の付き合いなら先輩たちとこれまで以上に打ち解けられるはずだが…。実現できるかどうかはともかく、ナインのムードが上々なのは間違いない。