ソフトバンクは25日のロッテ戦(ヤフオクドーム)に7―4で逆転勝ち。マジック23とした。ヒーローは高卒2年目の上林誠知外野手(20)だ。

 9番・右翼でスタメン出場して、第1打席でプロ初安打をマーク。第3打席ではプロ第1号となる逆転満塁弾を放った。お立ち台では「いや、今も打ったのかなという感じです。素直にうれしいです」と表情を緩めた。

 今季はウエスタンで首位打者を独走する打率3割3分3厘をマーク。類いまれな素質は1年目から高く評価されていたが、その一方で“持ってない男”としても注目を集めていた。1年目の春季キャンプでは、王球団会長が二軍首脳陣から指導を依頼された日に発熱でダウン。また、侍ジャパン・小久保監督が「沖縄まで噂が聞こえてきた」と興味津々で視察に来た日は卒業式のため不在だった。

 日を置いて王会長との接触は実現するのだが、相次ぐニアミスを知った小久保監督が「持っとらんなあ」と気の毒がるほど。またシーズンに入っても、キャンプで打撃指導をしてもらった秋山前監督への現状報告となるはずだった御前試合(二軍戦)を胃腸炎でダウンしてしまった。

 しかし、年が変わってツキも変わったのか、王会長は「プロに入る選手はみんな素質があるけど、こういう場面では結果が出ないものなんだけどね」とニッコリ。“持ってない”過去を一日で清算したようだ。