広島が過酷な“12連戦”を味方に付ける。25日の阪神戦(マツダ)は台風の影響により中止。代替試合は9月25日となり、これにより9月18日から29日までが地獄の12連戦になることが決定した。

 シーズン終盤での大型連戦に緒方監督は「できることなら(試合を)やりたかった。後ろが詰まっているからしんどくなる」と渋い表情を浮かべた。

 しかし、この12連戦決定を“吉兆”とみる向きもある。終盤の12連戦はデメリットに思えるが、阿南監督が就任1年目でリーグ制覇した1986年の好例があるからだ。

 その年も雨天中止のためシーズン後半に代替試合が入れられることになっていた。普通に考えれば、選手の疲労を考慮して休みが入る日程がベストのはず。しかし、阿南監督は「『なるべく連戦になってほしい』と言っていたらしい。休みで流れが切れるより連戦のほうが勢いを維持できるということだった」(球団幹部)と連戦になることを希望したという。

 そして、指揮官の狙い通りに連戦が続いたチームはシーズン終盤に調子を上げて優勝。そんな実績があるだけに今回の12連戦も「若いチームで一度勢いがつけば連勝できる力はある。へたに休みがあるよりも息をつく暇がないほうがいいかもしれない」(チーム関係者)と、大型連勝のチャンスとみているわけだ。

 リーグ制覇に向けて負けられない試合が続く赤ヘルだが、厳しい連戦を逆転Vの起爆剤にしたいところだ。