中日が3カード連続勝ち越しと、ここにきて調子を上げてきた。最下位脱出まで見えてきたが、その立役者は23日のヤクルト戦(神宮)で7勝目を挙げた若松駿太投手(20)だ。8月は無傷の4連勝で防御率は驚異の0・62。月間MVP候補の主役に躍り出ている。

 その若松は23日のヒーローインタビュー後、ベンチで谷繁監督兼選手に呼び止められ何やらひそひそ…。「よくやった」と褒められたのかと思えば、まるで逆で「調子に乗んなよ」とたしなめられたという。性格は良く言えば怖いもの知らず。悪く言えば調子乗りの一面もある。周囲から「チャラマツ」と呼ばれるゆえんもそんなところにある。指揮官もそんな性格を知っているからこそクギを刺したのだろう。

 もっともそんな一幕に周囲からは「調子に乗れるだけ乗らせたほういいんだよ。そのほうが伸びる」と真逆の提案も出ている。ある中日OBは「どんどん褒めてもっと調子に乗らせればいいんだよ。せっかくいい投球をしてるのに、細かいことをあれこれ厳しく言っていたら小さくまとまってしまう。どうせいずれは壁にぶつかる。そのときに首脳陣がヒントや助け舟を出してやればいい。それまで鼻は伸びるならどんどん伸びればいい」というのだ。

 調子に乗らないようにたしなめるのが正解なのか、はたまた自由に好きなようにやらせるのが本人のためなのか…。いずれにしても若松の将来を思ってのこと。久しぶりに現れた中日の新星だけに周囲は気になって仕方ない様子だ。