首位の阪神は24日、長期ロードの最終カードとなる広島との3連戦(マツダ)に向けて陸路広島入りした。目下、貯金は今季最多タイの8と10年ぶりのV奪回に向けて歩を進めており、25日の一部スポーツ紙では和田豊監督(52)の続投報道まであった。去就の正式決定はまだ先になりそうだが、そんな中、虎ナインが熱い視線を送っているのが指揮官の「お尻」だという。

 先のDeNA戦に3連勝で2位・巨人とのゲーム差を2・5(24日現在)とした阪神。再び勢いを取り戻し、最速なら28日にもマジック点灯というところまでこぎつけた。しかし、和田監督に浮かれる様子はない。「一試合一試合というのもあるが、いい流れを持って甲子園に帰りたい」とすでに勝ち越しを決めた長期ロードの最終カード広島3連戦に強い意気込みを見せた。

 ナインもその気持ちは同じ。油断することなく残り30試合を真摯に戦う気でいるが、ここにきて和田監督の「お尻」に熱い視線が送られている。「選手の間で『今年こそ監督もヒップタッチに参加してもらいたい』という声が出始めている」(球団関係者)というのだ。

 ヒップタッチとは試合に勝利した直後、ナインがマウンド付近でハイタッチなどで勝利を喜び合う際に、お互いのでん部をぶつけ合う行為のこと。昨季も見られた光景だが、今季もシーズン中盤以降、今成やゴメスを中心に復活。今ではクールな鳥谷までも参加しているほどだ。その効果は「何となく始まったけどチームが盛り上がる。一体感が感じられるからいい」(ある選手)とのこと。実際、この儀式を復活させてから虎の快進撃は始まった。

 そこで和田監督の“特別参戦”だ。別の関係者はその理由をこう続ける。「去年もそういう声はあったが、実現しなかった。だからこそ、というのもあるんでしょう。確かにヒップタッチに監督までも参加してくれればチームがより盛り上がることは間違いない」。もともと伝統ある虎の指揮官が、そうやすやすとは参加しないことは承知している。ナインとしても和田監督が思わずヒップタッチに参加してしまうくらいの劇的勝利を目指す覚悟だ。10年ぶりのV奪回に向けて歩を進めている阪神。その指揮官まで勝利の儀式に参加した時こそ、悲願達成が現実になるかもしれない。