中日・大野雄大投手(26)が20日の広島戦(ナゴヤドーム)で8回1失点の好投。7月8日の阪神戦(甲子園)以来となる勝ち星を挙げ、ようやく10勝に到達した。「2桁に王手をかけてから時間がかかりすぎましたが、いろんな人に支えられて3年連続で達成できました」。2桁勝利目前で5試合連続足踏み。6度目の挑戦での白星だけに安堵の笑みを浮かべた。長いトンネルを抜け出すきっかけとなったのは日課としている夜のスポーツニュースの“はしご”だ。「一軍に定着してから必ず見るようにしてます。他チームがどういう状況なのか、どうやって勝ったのかなど知っておくことはプラスになると思いますからね。ほとんどは結果だけですけど、中には参考になる話も出てきます」

 大野のタイムスケジュールはこうだ。まずは午後11時前、テレビ朝日系「報道ステーション」のスポーツコーナーを視聴。そして午前0時ごろにフジテレビ系「すぽると」が開始するまでに、日本テレビ系の「NEWS ZERO」やTBS系の「NEWS23」などをチェックする。そんなスポーツニュースで、18日の日本ハム・大谷のヒーローインタビューが胸に刺さったという。連敗中だった大谷はその日のロッテ戦で完封勝利。その胸中について「今日から開幕するぐらいの気持ちで、開幕戦のつもりで投げました」と表現した。それを聞いた大野は「なるほど、そういう切り替えがあるんだな。まねさせてもらいました」。それを6試合ぶりの白星につなげたのだ。

「大谷クンはいい投手だし、吸収できるものは何でも吸収したい。“はしご”していて良かったです」とニンマリの大野。今後は勝ち星を増産してくれそうだ。