首位の阪神は16日のヤクルト戦(神宮)に6―1で完勝。2位・ヤクルトと3位・巨人に今季最大の3・5ゲーム差をつけた。これで4カード連続勝ち越し。そんな絶好調の虎ナインを率いる和田豊監督(52)に本紙評論家の得津高宏氏が緊急提言。「優勝のために気をつけるべき相手」として挙げたのは…。
初回に鳥谷の自身5本目となる先頭打者アーチで先制。その後、ヤクルトに追いつかれたが、6回に右手中指を負傷している福留の17号3ランで勝ち越し。投げては2年目左腕・岩崎が6回1失点の好投で今季2勝目をマークした。「よーいドンで鳥谷が1点取ってくれたのは大きかった。岩崎は、これくらいの投球をしてくれたら(先発の)5番手としてやっていける」とは和田監督。18日からの3位・巨人との3連戦に向けては「もう一回気持ちを引き締めて、東京ドームでやってきます」と気合を入れ直した。
そんな指揮官に本紙評論家の得津氏が緊急提言。「打つべき人が打っているし、今、セ・リーグでは一番チーム状態がいいでしょう。戦力は一番充実している。今後はヤクルトと巨人も潰し合いになるし、楽に考えていけば優勝できるはず」と虎の勢いを認めた上で「ここから気をつけなければならないのはむしろ、DeNAと広島です」と混セから脱落した感がある2球団を指名した。
その理由については「阪神は伝統的にどうしても“打倒・巨人”を意識してしまう。例えば、先発のローテーションを崩してでも叩きにいったり…。しかし、ここにきて意識しすぎるのは良くない。2位のヤクルトに対しても同様です。なぜならばその後にチームが疲弊してしまうから。特にDeNAと広島は状態も良くなってきたし、軽視すると足をすくわれますよ」
さらに「どこに勝っても1勝は1勝でいくべき。阪神は頭ひとつ抜けたし、今後はローテーションの順番もしっかり守って余力を持ちつつ戦うべきです。ヤクルトに勝ち越したから(18日からの)巨人戦は1勝2敗でも十分。“一戦必勝”を続ければひずみが生まれる。“ここからは五分でいい”というくらいにゆとりを持つことが大事になってくる」と声を大にした。
優勝を争う2球団よりも、下位球団による「上位いじめ」こそ気をつけなければならない。特に宿敵の巨人戦は過去に何度も苦杯をなめさせられ、就任4年目で今季が背水イヤーの和田監督も必死になるカードだけに「間違い」が起きないようにすべきというわけだ。